花輪ばやし参加報告

2006/8/19
秋田県 鹿角市花輪

 鹿角市では、毎年8月19、20日に日本三大囃子の1つで、平安時代から続く由緒ある祭り「花輪ばやし」が行われます。10町内から豪華絢爛な屋台が一台ずつ出て、サンサ(花輪祭典独特の手打ち)の後、お囃子を演奏しながら鹿角花輪駅前広場まで巡行し、駅前広場で10台の屋台が円陣を組み、お囃子の共演をします。

 その祭りを今年十年振りに観に行きました。それまでは家族で行っていましたが、祭りなどの人混みの中に車椅子で行くと、皆、足下や周りを見ていないため「すみません」と声掛けしていても接触するまで気付かれず、もみくちゃにされたりぶつかってケガをさせたりと危険なので、家族だけでの行動に限界を感じ、それ以来行かなくなっていました。
 今年も行けないだろうと諦めながらも、今利用している障害者居宅介護事業所「からーず」のケアマネージャーの木村さんに相談してみました。すると、ボランティアの方を10人集めてくれました。ボランティアと言っても、皆さんがイメージされるような学生さんとかではなく、「からーず」のヘルパーさん、「からーず」のある鹿角市障害者センターの職員の方、障害者施設の職員の方でした。
 皆さん揃いの赤いTシャツを着て、「すみません」と声掛けしながら、一人が前を歩いて誘導し、あとの人達は車椅子の両脇をガードするように一緒に歩いてくれました。赤いTシャツを着てた事と人数の多さにより目立ったようで誰もが道を空けてくれました。そのお陰で、何の危険もなく祭りの屋台の巡行を観たり露店で金魚すくいや宝つりをして十年振りに「花輪ばやし」を楽しめました。金魚すくいは出来ないのですくってもらい、おまけで一匹もらいました。その金魚は弱々しくて死にそうでしたが、三週間生きました。宝つりは手伝ってもらいながら、自分で紐を引きました。

 今回このようにして行けたのは、ケアマネの木村さん、ヘルバーさん、ボランティアさんのお陰なので感謝しています。それに家族から離れて、ヘルパーさんとボランティアさんだけで行動するのは初めての体験だったので、嬉しかったです。

 今回は僕のためでしたが、このようにして全ての障害者がいつでも行きたい所に行き、したい事が出来るようになれば喜ばしい事ですし、そう願っています。そうなるように僕も小さな事でも出来る事をやっていきたいと思います。 (阿部尚明)

写真

ボランティアの皆さん

移動
ボランティアの皆さん 移動

花輪ばやし01

花輪ばやし02
花輪ばやし01 花輪ばやし02