<主症状>
3-1. 知的機能・認知機能の障害 |
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・同じことばかり聞く、置いた場所を忘れて大騒ぎになる、繰り返し同じものを買ってくる、「そんなことを言った覚えはない」と怒るなど
⇒作話、ものとられ妄想
⇒痴呆性高齢者は“点”の上に生きている |
3-2. 時間・場所・人物の見当識障害 |
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・今日は何日か、今、何時かを間違える、道を間違えて帰ってこられない、家にいても「帰る」
⇒迷子(徘徊) |
3-3. 理解判断力の障害、計算力の障害 |
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・金銭への異常なこだわり、職場で仕事が出来なくなる、日常的な道具を使うのに混乱がある、着衣の間違いを繰り返す、戸締まりを繰り返す、状況にそぐわない言動、簡単な計算が出来ずつり銭がわからない
日常的な習慣としている行動や判断は保持される。
残存機能がある。
困っていること、苦しんでいること(自分の意思)をうまく相手に伝えられない。 |
<随伴精神症状> #高齢者の気持ちや背景 |
1. 自発性の低下、抑うつ |
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# ぼけたのではないかという不安、何もさせてもらえないという喪失感
⇒自殺に発展する可能性もある |
2. 怒りやすい、興奮しやすい、感情が変化しやすい |
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・唐突な行動として出やすく、一過性であることも多い。
・疲労、運動不足、身体疾患があると起きやすい。
# 苦痛などを適切な表現で訴えることに障害がある。
# 援助との関連 |
3. 不眠・夜間せん妄 |
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・夜間に興奮状態、夕暮れ症候群
# 昼間の生活との関連、夜の不安、不眠の苦痛を訴えられない |
4. 幻覚・妄想 |
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・幻視は人物が多い、幻聴は身近な人が「悪口を言っている」、妄想はものとられ妄想や嫉妬妄想
# 生きていることへの不安、痴呆以前の感情、思考の障害 |
<行動障害> |
1.徘徊(うろつきまわること) |
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・自宅から出て行く、外出先で迷う、自分から混乱を訴えない、繰り返し起こる
# ここがどこだかわからない、「誰々がいない」と探す、何かをしなくてはと用件を思いつく、いごごちが悪い
⇒事故に発展する恐れがある |
2.失禁・弄便 |
3.異食 |
4.暴力・性的逸脱 |
<人格の障害> |
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⇒全人的障害としてとらえられてしまう |
1. 病前性格の先鋭化 |
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・もともと気が短い人がもっと短くなる |
2. 病的性格の出現 |
3. 感情の平板化や想像力の低下 |
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・几帳面な人がずぼらになるなど「その人らしさ」の喪失 |